『起業したら何が変わるの?』#起業ブログ7

「やりくり」から「資金繰り」へ。

 
起業したら何が変わるか。
会計士の目からいうと、「やりくり」が「資金繰り」へ変わるということです。
 
会社勤めのときは、毎月毎月のお給料を「どう使うか」を考えます。
今月は残業代がたくさん入ったからちょっと贅沢できるな、とか毎月のお給料はこれだけ入ってくるからいくらを貯金に回そうかな、と。
つまり、収入が先にあって、その後支出を考えることになります。
だからこそやりくりが重要。
先に使える金額が決まっている以上、どううまくお金を使うか、貯めるかがポイントになります。
 
これが逆になるのが起業。
先に支出があってその後、収入となります。
 
たとえば、手作りアクセサリーをネットショップで売っていく場合。
まず、アクセサリーの材料を買うときにお金が出ていきます。
そしてサイトにアップしたアクセサリーが売れて、実際にお客さんから振り込みがあって初めてお金が入ってきます。
 
ここで数値例を挙げてみます。
 
1月1日に材料20万円をカードで買いました。支払いは2月10日です。
2月末にアクセサリーが30万円で売れました。振り込みがあったのは3月10日です。
この場合、2月10日までには20万円を用意しておかなくてはなりません。
アクセサリーの売上金の入金を待って支払いをすることはできないからです。
 
出金とその後の入金には時間的なずれがあり、このずれを「運転資金」といったりします。
 
だからこそ、支払日までにお金があるようにしておくという「資金繰り」がとても大切になります。
いついつまでに出金があって、いついつまでに入金があって、そうであれば、今の段階でいくらのお金が必要か、そして足りないのであればできるだけ早く融資を受けるなど手を打っていく。
 
支出が先。その後に収入。
だからこそ、しっかり資金繰りをしていかなくてはならないのです。
 
20万円で材料を買って、作ったアクセサリーを30万円で売る。
これは、確かに儲かる商売ではありますが、それだけでは不十分です。
20万円の材料代を払えるだけの資金繰りをしていくことが起業家にとっては必要なのです。
 
公認会計士・税理士/伊藤弥生
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